Koji memo(12) 年金未納とサイレントマジョリティ 

2004-5-13 作成
またしてもくだらない問題で大騒ぎである。
政治家がうっかりして自分の年金を一部納めてなかったことが、 何故あのように騒ぎ立てねばならないのか。年金問題がやっと 日本中で極めて深刻な問題として、解決に手をつけようとして 国民の関心が高まってきたことを、政府に反対する勢力が「揚げ足取り」の種に利用 したのに過ぎない。報道倫理に欠如したマスコミの煽りによって増幅されて、あのよ うな騒ぎに発展した。
多くの常識(ここでは良識という言葉はやめておく)のある大人は、「それぐらい いいじゃないか」と感じていても、あの状況下では、とても発言できる雰囲気ではない。 「制度も運用の仕方も間違っていたわけであるから、素直に謝って誤りを正していく」 と言えばよいのに、そうしたマジョリティの意見は口を封じ込め(サイレント)られて しまった。
こんな形で世論が形成されていくことに危機感を覚える。「国民はバカではないから、 そんな騒ぎの中からちゃんと自分の判断で問題を整理するからいいじゃないか」とまた 言われそうだが、このままでは本来議論すべき大切な問題が置き去りにされかねないこ とを危惧する。
最近そのフォローで、「もっと重要な問題は、年金資金を使って大げさな施設を作り、 その周りで多額の金が動いて、甘い汁を吸った一部の人間がいる。けしからん」という ことを取り上げているマスコミもいる。 これとても些細な問題であり、本質論ではない。
こうしたスキャンダルまがいの事が、ライバルをおとしめるために利用されるのはどこの 国でもやられていることだが、無駄なエネルギーを省くために次のようなカテゴリー分けの 世論コンセンサスを作れないだろうか。
カテゴリーA
 過去に重大なる犯罪をおかしていたことが判明した。
 職制を利用して汚職により個人的利益を得た。 など
 当然あらゆる政治活動から抹殺され、刑事処罰の対象となる。

  カテゴリーB
 若干の罪の意識は伴うが「これ位ならいいだろう」あるいは
 「まわりもみんなやっている」程度の軽い気持ちでやったもの。
 秘書給与の流用問題などがこれにあたる。女性スキャンダルはこの範疇に  入るものが多いであろう。
 社会的に厳しく非難されるレベルから、交差点で赤信号なのに渡ったことがある、  とか高速道路で時速100Km制限のところを120Kmで走ったことがあるなど、法律違反  には違いないが、極めて軽微なものまで幅があろう。

カテゴリーC
 まったく罪の意識がなくて、知らなくて、もしくはついうっかりやってしまった事柄  年金未納の殆どは、これにあたる。
 ただし、いくら知らなかったといっても重大なる社会的損失・事故につながるものは  この範疇ではない。


カテゴリーCは、ライバルをおとしめるために利用しない、というコンセンサスは作れない だろうか。もちろん本人が「これはカテゴリーCだからいいではないですか」などと絶対 言うべきでない。ひたすら謝らなければならない。回りにいる人やマスコミが「カテゴリーC だから不問にしましょう」と世論をリードすれば良い。

どんな立派なひとでも、たたけばほこりが出る。聖人君子ばかりの集まりで政治ができる はずがない。若いころに羽目をはずして、人を傷つけ、自分も傷つきながら成長して大きな 人格に育っていくのである。それを許容しないと、社会の大きなマイナスである。
「そんな偏った意見がマジョリティの意見などと、とんでもない」と叱られるかも知れない が小生の素直な思いである。

ーー 追記  −−
今回の騒動で一番得をしたのは福田氏であろう。あの辞任で男を上げ、次期総理候補の筆頭 に躍り出た、と見る向きもある。小泉政権の先行きの限界を察知し、このチャンスを利用し たとすれば、さすがしたたかである。 同じ辞任でもタイミングを間違うと男を下げた人も いる。 どこかの地方の県知事が「私も未納がありました」ということで、全国版ニュースに 登場できた人もいる。2番煎じ、3番煎じではテレビで大きくは取り上げてくれない。機を みるにあっぱれなり。