Koji memo(1) 1500万人失業時代 

2001-9-19 作成
失業率が5%を超えた事が話題になっているが、日本の現状を考えると 構造改革のほんの入口に立ったと見るべきである。バブル崩壊以降政府 も手をこまねいていたのではなく、さまざまな施策を打出してきたが、 残念ながら経済政策については失敗であったと言わざるを得ない。今は 明確な「創造的破壊と再生」のビジョンを示し、大きな痛みを伴いなが らも将来への夢と希望をもって立ち向かっていけるような骨太のシナリ オが必要である。

大リストラへ

依然として縮まらない不良債権の拡大、内外賃金格差、高齢化、中進国 の猛烈な追い上げと技術レベル向上と国内空洞化などから、いよいよ全 産業にわたって一大リストラ時代に突入してきた。民間企業から1000万 人の失業者が生まれてくるだろう。大事なことは、そうした人達への救 済措置であり、@一人300万円/年x3年間=約100兆円の生活保障を行 い、社会不安、治安悪化を最低限に抑えねばならない。一方で新しい時 代に合った技術を身に付けるための職業訓練と再教育に投資が必要であ り、ほぼ同額のA100兆円の予算化を行う。 また新しい産業構造を支える通信、IT、環境、エネルギーなどのイン フラに国家としてB200兆円を投入し変革を促進支援する。

官側もリストラ

また日本の高コスト構造の元凶の一つである中央政府・行政機関と地方 自治体および各種その関連団体のゼロベースから見直し徹底的にスリム な構造にすることにより、500万人の失業者が生まれる。この人達の救済 にC100兆円の予算を当てる。構造改革に抵抗するのは自分の生活がかか っているからであり、当たり前のことである。安心して自ら変革にチャ レンジしていくビジョンを示さねばならない。多くの日本国民に痛みを 伴う改革を求めるには、官側が率先してスリム化を実行しなければ国民 は納得しない。

安心がビジネスに

大きなリストラに合わせて将来の再生ビジョンを示したとしても、大量 失業により社会不安、治安悪化は避けられないであろう。「安全とリス クマネジメント」が大きなビジネスを生み出す。安全と安心がわが国の 大きな誇りであったが、残念ながら欧米に近づかざるを得ない。その事 を嘆くのではなくて、甘んじて受け入れて、いかに対処するかに優秀な 知恵を絞らねばならない。ひ弱な日本人から脱するチャンスかも知れな い。

国際地位向上へ

日本挙げてのリストラの中では、外向きの活動のエネルギーが生まれて こなくなる恐れがあるが、ここも政治の出番である。砂漠の緑化や、水 問題など地球規模のビッグプロジェクトにD100兆円の予算を投入したら どうか。そうしたプロジェクトに生み出した余剰人材を投入する。10年 20年後の日本が再生なった時に、世界から尊敬され、信頼される国でな くてはいけない。

意味のある借金

以上@〜Dの600兆円をかけて日本の再生を行う。バブル崩壊以降、本来 破壊すべきさまざまな仕組みの延命策に660兆円を投入してきたと言われ る。膨大な借金が積み重なった割には何の根本的な解決をみていない。 このまま経済が悪化を続け、明確な中期ビジョンを示さないまま、ずる ずると後追い型の小手先だけの対策を打ち続ければ、再生を遅らせるば かりか、結局この数倍のお金をつぎ込まねばならなくなるのは目に見え ている。先手先手で対策を打ち短期間で再生を果たしたい。こうした意 味の有る投資であれば、後世の人達にも説明がつく。何よりも、一人一 人が苦しくても夢と希望を持てることが大きい。

小泉政権に期待

この半年から一年の間に、経済的に最悪の事態を迎えることも覚悟しな ければならない。国民の多くが大きな痛みを感ずるようになると、権力 基盤脆弱な小泉政権は持ちこたえられないであろう。しかし、従来型の 政治家が登場したのでは事態はさらに悪化する。本政権でここに述べた ような明確なビジョンを示し、過半数の国民の支持を得て何としてでも この改革をやり遂げてもらいたい。その志が正しければ、49%の人が反 対でもかまわない。

若者に夢を

高度成長時代のあと、諸外国に比べて日本の若者のチャレンジ精神が衰 えてきたことが心配である。今回の歴史的大改革は、「人の幸せとは何 か」を考え直すきっかけを与えてくれる。社会秩序があちこちで崩壊す るなかで、「命の尊さ、人への思いやりや優しさ、自然に対する畏敬」 が如何に大切であり、そこに真の喜びを見出せる機会に恵まれる。もと もと「消費は美徳である」などと叫び始めた時からおかしくなった。わ れわれ中高年は、次の世代に大きな負の財産を残すことになってしまっ たことを詫びねばならない。しかし何も過保護である必要はない。少な くとも「必死に努力すれば報われる」という社会環境だけは残すように したい。